2010年09月07日

SKE48に魅かれて(3)

この連載シリーズでは(笑)今僕の心を掴んでいるSKE48に何故ハマったかを分析しつつ紹介。さらに僕なりのアイドル論から小劇場との比較分析にまで着地します。

第一回「SKE48との出会い編」はコチラ
第二回「ハマるキッカケ編」はコチラ

さて、いざライブの日。何と会場はHEP HALLだったんですよね(笑)
元は、大阪MUSEという僕がPerfumeの生パフォーマンスを始めて観た小さいライブハウスが会場で、そこにも何だか縁を感じていたのですが、チケット応募多数で急遽会場変更になったのです。

実際のライブは、もちろん大満足でした。
ライブ全体を俯瞰してみたかったので(一応レポートを書くという仕事なわけだし)会場最後列、PA席の横で観たのですが、この場所でも迫力十分。16人で一気に踊る迫力はかなりのものでした。芝居とは比べられませんが、彼女たちが凄く大きく見えて、表情までもしっかりと伝わってきました。

観客は、もっとどっぷりオタクかと思ったのですが、若い層や割合女性も多く、ライブ環境としては比較的快適でした。大阪初ということやホームの名古屋では無いという事もあったのかもしれません。

ライブではDVDで観た彼女たちの全力のパフォーマンスを生で存分に感じることができ、とても良かったのですが、それ以上に感じたのが、制作サイドの本気度でした。
商売なんだから当たり前なんですけど、照明も音響もガッツリ。HEPで大音量といったらおなじみのクロムモリブデンをはるかにしのぐ爆音とかなりの台数投入されたムービングライトで、彼女たちの全力のパフォーマンスがより引き立っていました。アイドルだからという手抜き感は本人たちはもちろんの事、スタッフたちにも全くありませんでした。

SKE48を応援するようになってから知ったのですが、秋葉原のAKB48専用劇場は、14分割されたセリが独立稼働する仕掛けや回転する壁などの舞台機構があり、48台のムービングライトやLED電飾など、キャパ250席程度のライブハウスとしては国内屈指の設備を誇るそうです。
専用劇場の設備にも製作サイドの本気度が現れている気がします。「アイドルやし、ファンも期待してるのは演出効果じゃないんだから、基本的な設備でいいだろう」というような手抜きは一切ないですね。大体、この設備投資だと確実に相当な年数継続しなければ回収できません。
このあたり、演目に合わせて専用劇場を建ててしまう、アメリカのロングランショービズのようなノウハウですね。実際、秋元康氏はインタビューなどで、高校時代に好きだった小劇場の熱や距離感が「会いに行けるアイドル」=AKB48プロジェクトのコンセプトの原点の一つであると時折答えています。この一点だけを見ても、僕たち小劇場とAKB48プロジェクトは無縁ではない事がうかがえます。そしてAKB48劇場には客席に2本の柱があるそうです。まるでOMSじゃないか!それを知ると一度行ってみたくなりますね…。

また、DVDではカット割りで良く分からなかった、ダンスポジションの入れ替わりが、本当に良く計算されている事がわかりました。
1曲の間では無理でも、通して見ると、必ず自分の推している(応援している)メンバーが、前の方へ、そして自分から見えやすい位置に来るように計算されているんです。それは例え観客がどこに居てもです。単に振付の一環というだけでなく、見切れを防ぐ計算までも盛り込んで演出されている事に、感心しました。おそらく大人数アイドルでは当然のことなんでしょうが、僕としてはかなり新鮮でした。Perfumeは3人なんでそれほど計算しなくても全員きちんと見えるのでね。

そして、実はこのポジションチェンジによって、彼女たちには物凄い運動量が増えている訳なんですね。さらに、早替えで衣装はドンドン変わるし、2時間少しのライブで驚くべき運動量ですよね。そりゃ汗だくにもなりますわ。若いとはいえ、場合によっては1日3ステとか信じられません。
それでもいつも笑顔。これが造られた笑顔じゃなくって、本当に舞台の上に居ることが幸せそうなんですよね。舞台に立つために努力し苦労しているからこそ、舞台に立てた時自然とこの笑顔が出てくるのだろうなと感じました。このあたりの事情は次回記事にてもう少し触れようと思います。
こうして、がっつり洗礼を受けてしまいました。

ここで余談ですが、AKB48は変則的なロングランプロジェクトだと思うのですが、それに関する考察を少し。
AKB48プロジェクトがスタートした頃、関西小劇場でも公演のロングラン化が話題にあがり、インディペンデントシアターでも様々な取り組みに挑戦していました。(今、活かされているノウハウもありますが、その多くは残念ながら実を結びませんでした。)
ネットニュースで「秋元康プロデュースのアイドルユニットが秋葉原の専用劇場で毎日公演をする」と見た時に正直ヤラれたと思いました。
丁度その時、あくまで僕の机上ですが、小劇場で喰う事を真剣に考えている複数の劇団によるロングラン劇場運営ができないかをシミュレートしていたのです。
劇団Aが、ロングラン公演中。劇団Bが次回作の製作・稽古、劇団Cが劇場の運営に従事。これがぐるぐる廻り続ける。常に脚本のストックとABCに不測の事態が起きた時に代わる準備のできた劇団があれば…。
1劇団(作品)に関わるのが仮に10人(スタッフ込)として、運営サイドも含め全体で約35人でこのシステムを基本回すとして、35人が毎月20万の給料を得るためには(当然作品製作中=上演待機中の劇団も給料は出る)月700万の売り上げが必要。仮に1stクラスの劇場で家賃・維持費等を含めると月800万ほどか。チケット代が3000円なら、月間動員2667人。月30ステージとして1ステ89人有料動員。これは無理があるので、併設するカフェBARや物販で或る程度の収益が必要。さらにセット代や広報宣伝費そして税金等が上記には含まれない。何ステージロングランできるかで、そのコストの損益分岐点が変わってくる。

そう。客さえ入れば、全くの夢物語ではないはずなんです。問題は毎ステ90人動員できるコンテンツ=演目です。例えば日本国内でロングランと言えば劇団四季ですが、どんだけキャッツが素晴らしくて好きだとしても、毎日は観ないですよね。(毎日観れるほどお金と時間のある人もいないと思うけど)
ロングランを成立させるには、毎日足を運んでもらわなくとも公演期間中に一度は観たいという人が多数確保できるくらいパイの大きなターゲット観客層をもつか、毎日でも足を運びたくなるような魅力的な仕掛け&中毒性が作品にあるか、のどちらかを成立させなくてはいけないのだと思います。前者が劇団四季、後者がAKB48プロジェクトです。
基本物語がベースにある演劇には、この後者の条件を満たすことが難しいわけです。物語を理解してしまうと繰り返し見る魅力は半減してしまいます。ロングラン作品に比較的パフォーマンス要素の強い作品が多いのは、この為だと思います。シルク・ド・ソレイユとか、ナンタとか、ブルーマンとか、あれなら何回でも観たくなるでしょ?

ということで、劇団による演劇のロングランは現状やはり難しいと思っていた時にAKB48が登場しちゃったんですね…。アイドルだからとか音楽業界だからとか関係なく、近いビジネスモデルを考えていただけに、完敗ムードはとても強かったなぁ。
ただ、そのAKB48にしても、キャパ250でチケット代¥3,000-じゃ、1ステの売り上げが¥750,000-です。劇場の公演だけじゃランニングコストでは黒字でも、イニシャルコストはきっと回収できませんよね。いかにロングランというシステムが難しいかを物語っている気がします。

さて、肝心のライブレポートはどうなったかと言うと、実はお話自体が無くなりました(涙)
自分の名誉のために言っておくと、原稿が悪かったからではありませんよ!実際書いてませんもん。編集部の都合で枠自体が無くなっちゃったんです。まぁ、ライブは観れたから良いんですけど…。
或る意味、このブログ記事は意趣返しとも言えるかもしれませんね。

ということで、連載第三回目は、Liveで洗礼受けちゃったよ編でした。
次回、昇格というドラマ編です(笑)

posted by アイウチ at 18:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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